スポンサーサイト

--.--.-- *--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
EDIT | 

2010年7月に読んだ本 (読書メーター)

2010.11.02 *Tue
7月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2871ページ

ふたりの距離の概算ふたりの距離の概算
ホータローが走る距離がゴールに近づくのと、物語のベールがはがれていくのが同時進行していて、ついつい読んでるこちらもスピードをあげたくなります。普通の人なら気付かないような些細な心の奥に潜む機微を描きだし、解きほぐしていく物語。人の気持ちは本当に計り知れないもの。だからこそ生まれるミステリーですよね。いろんな二人の距離が遠ざかったり縮まったり。省エネ主義のホータローだけど今回は最初から最後まで頑張ってましたね。まだまだ大きく外へは踏み出せず心に澱みを抱える彼の器用な中の不器用な面が愛おしくもありました。
読了日:07月30日 著者:米澤 穂信
オー!ファーザーオー!ファーザー
普通の高校生の由紀夫。でも彼にはとても個性的な父親がいる。それも一人じゃない。4人もいるのだ!誰が遺伝子的に父親かなんてものは誰も気にしない。その関係がちょっと羨ましくなるほど心地よい。登場人物たちが巻き起こすドタバタが面白くて読み終わる頃には一抹の淋しさも。それにしてもこの最強の四人の父親に愛された知代さんってどんな人なの?!と興味深々です。由紀夫が最後に見た白昼夢。胸苦しさとともに掛け替えのない家族の大切さを突きつけられたシーンでした。永遠じゃないからこそ宝物なんですよね。また彼らに会いたいです。
読了日:07月26日 著者:伊坂 幸太郎
コンビニたそがれ堂 星に願いを (ポプラ文庫ピュアフル)コンビニたそがれ堂 星に願いを (ポプラ文庫ピュアフル)
いつもながら懐かしくて温かい身近に起こる不思議な魔法。『星に願いを』は女性なら誰もが胸にきゅんとくるお話。『喫茶店コスモス』はちょうど電車の中で読んでいて、涙をこらえるのが大変でした。最後にはツイッターまで登場しておおっと思いましたが、時代や環境が変わっても、人の心の中に流れている温かさは変わらない、これからもずっとそうあってほしいと強く思いました。たそがれ堂にいつか自分も出会えたら素敵。でも、もし出会えなくても別の形で奇跡は訪れる、そう信じる気持ちが湧いてくる一冊ですね。
読了日:07月26日 著者:村山早紀
天地明察天地明察
碁打ちで算術好きの春海が改歴という天地を揺るがす偉業に立ち向かっていく。誤謬と明察の繰り返し。地上の支配という天下ではなく、宙にある天に挑んだ春海。天意という大きな設問に何度も何度も挑む春海と、彼を支えた多くの人々の想いに敬服しました。「精進せよ。精進せよ。」 彼に己の志を託し消えていった人々の温かい笑顔が忘れられません。今自分が当たり前のように思っているものが、人の手によって長い年月をかけて創り出された偉大なものであることを改めて実感しました。春海とえんの関係も素敵。
読了日:07月13日 著者:冲方 丁
にょっ記 (文春文庫)にょっ記 (文春文庫)
私たちと同じ場所、時間を歩いていても、穂村さんの目に映るもの、耳に入ってくる音は全く違ったものなのかも知れない。ありそうでなさそうなシュールな世界に口元が緩んでしまう。わき腹をこしょこしょとくすぐられる感じ。何ともこそばゆく、可笑しいのに哀しくなったりもする。言葉っていろんな色を持っているんだな、と改めて実感させられました。「うこん」にどきっとしたことはあるけど、「ちんすこう」にびくっとしたことはありませんでした(笑)
読了日:07月13日 著者:穂村 弘
シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々
「見知らぬ人に冷たくするな。変装した天使かもしれないから」がモットーの実在するパリの書店が舞台。犯罪記者である著者がトラブルから逃げ出し、偶然転がり込んだのがこの書店。作家や作家を目指す人々が集まる不思議な空間。ノンフィクションですがまるで小説みたいに次から次に個性的な人が現れたり変な事件が起こります。苦労や挫折を背負いつつも皆気持ちの赴くままに自由に生きていて羨ましい。永住してしまうほど心地良く無いところがまた良いです。ありきたりな優しさは出てこないのに不思議と読み終わると温かい一冊でした。★x4
読了日:07月10日 著者:ジェレミー・マーサー
真昼なのに昏い部屋真昼なのに昏い部屋
表紙のゴヤの絵の美しい不気味さが、なんとも物語の雰囲気にマッチしています。ふわふわの小鳥のような主婦の美弥子さんと、そんな美弥子さんに恋をしているジョーンズさん。ですます調の丁寧で穏やかな言葉遣いで綴られる物語。ゆったり静かな心地いい空間が描かれています。でも美弥子さんが世界を飛び出してしまってから、その世界は一変。籠の中の鳥だったから彼女は魅力的だったのでしょうか。切ないというより悲しい。最後には残酷な恋の一面が強く残りました。★x4
読了日:07月09日 著者:江國 香織
古書の来歴古書の来歴
書物が焼かれるところでは最後に人も焼かれる--冒頭のこの言葉が頭から離れません。実在するユダヤ教の最古の祈祷本「サラエボ・ハガダー」。古書鑑定家のハンナが鑑定を進めるうちに、一冊の本が辿って来た数百年の過酷な運命の歴史が紐解かれていきます。蝶の羽やワインの染み・・・古書に残された小さな跡が凄惨で過酷な運命を物語っていて。命をかけて守り抜いた人々が起こした奇跡。胸が熱くなりました。ハンナの恋の話や稀少本をめぐる陰謀など、エンターテイメントとしても楽しめました。読み応えのある一冊です。★x5
読了日:07月09日 著者:ジェラルディン ブルックス
蝦蟇倉市事件1 (ミステリ・フロンティア)蝦蟇倉市事件1 (ミステリ・フロンティア)
不可能犯罪が多発する蝦蟇倉市を舞台としたアンソロジー第一弾。2より1の方が毒気がないかな。道尾さんの作品は小説ならではの言葉のトリックなどを細かく用いた王道ミステリー。ぞくっとくるような裏淋しい情景も浮かび楽しめました。伊坂さんの『浜田青年ホントスカ』。コミカルで小気味良いテンポながら実は残酷な結末へと進んでいくあたりはさすがといった感じ。残り3作品のうち2作品は、あまりにも無理やりなトリックでう~んと唸ってしまったものの、こういった作家の方同士が繋がって創り上げる企画というのは良いですね。★x3
読了日:07月09日 著者:道尾 秀介,伊坂 幸太郎,大山 誠一郎,福田 栄一,伯方 雪日

読書メーター


*********************************

随分、更新滞ってしまってます~。
7月…あんなに暑かったのが嘘のように秋を飛び越えて冬ですよね。
お風邪などにお気をつけてくださいませ。

7月は充実した内容の本ばかり!
『蝦蟇倉~』以外はどれも大当たり。
とても楽しく読ませていただきました。
『蝦蟇倉~』も伊坂さんや道尾さんなど楽しめたものもあるのですけど全体的に少し残念だったかな、と(ごめんなさい)。

米澤さんの古典部シリーズの最新刊は連載でも追っていたのですが、やはり通して読むと更に良いですね。
ブルックスの『古書の来歴』はとても重厚。江國さんの本は濃密。
伊坂さんの『オー!ファーザー!』は久々にさらりと楽しめる感じ。
『天地明察』は期待していたよりも地味ながら面白く、コンビニたそがれ堂新作はいつも通り温かい。
穂村さんのエッセイに爆笑。
パリのシェイクスピア書店訪問をいつかの目標に。

Twitterでつぶやいています♪

By TwitterButtons.com


《↓ 応援していただけると励みになります☆》
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ人気ブログランキングへ
COMMENT (0)  TRACKBACK (0)  EDIT | 

2010年6月に読んだ本 (読書メーター)

2010.07.30 *Fri
6月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:2915ページ

百瀬、こっちを向いて。百瀬、こっちを向いて。
4つの淡く透明感漂う短編集。『吉祥寺の朝日奈くん』がものすごく好みだったのでこちらも読んでみました。どれも今までも読んできたことがあるような、ごくありそうなお話なんです。でも何かが違う。ちくっと胸に刺さる切ない痛みが心地良い感じに織り込まれていて。どのお話も設定だけ読むと「甘っ」と言いたくなるのですが、不思議と甘くなく、ビターな感じ。『なみうちぎわ』が特に好きです。波の音と名前を呼び続ける少年の声が溶け合って切なかったです。
読了日:06月17日 著者:中田 永一
お友だちのほしかったルピナスさん (大型絵本)お友だちのほしかったルピナスさん (大型絵本)
なんとも不思議な髪形とぽやんとした表情のルピナスさん。淡く綺麗な色彩なのにどこかもの淋しい雰囲気が漂う絵に惹かれて手に取ってみました。街外れの花園の留守番役のルピナスさんと友達の鳥のロベルト。そこにミスター・ハンプティ・ダンプティと箱に手足の生えたパタコトン氏がやってきて。幻想的な世界の景色の中のつかの間の冒険。新しい友達も冒険も楽しかったけどやっぱりいつもの場所が一番幸せ。群青色の空に小さな丘が並ぶ景色が奇麗でした。(ドイツの絵本・矢川澄子訳)
読了日:06月15日 著者:ビネッテ・シュレーダー
叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)
一人の情報誌記者が辿る地球上のどこかの足跡。強烈な生と死が、美しい情景の中に織り込まれていて圧倒されました。生きることの過酷さと儚さ、そしてその美しさと残酷さ。ミステリーだけどミステリーではない、新しい感覚です。どの作品も目の前にすーっとその情景が浮かんで来て5本の映画を観た後のような視覚的な余韻が残りました。これがデビュー作だなんて。今後がとても楽しみな作家さんです。★★★★★
読了日:06月10日 著者:梓崎 優
蝦蟇倉市事件2 (ミステリ・フロンティア)蝦蟇倉市事件2 (ミステリ・フロンティア)
同じキャラを別の人が描き、同じ町を背景に次々と起こる事件の謎を追うというのは面白いコンセプトですね。どれも最後に背筋がぞくっと来るような終わり方。後味は決して良くないけれど、不思議とそれほど重くなく、楽しめました。もっと蝦蟇倉市ならではの土地勘を利用した感じになるのかなと思ってましたが、あまり冒頭の地図を楽しめなかったのが残念。米澤さん以外初読みの方ばかりだったのですが、「さくら炎上」と「密室の本」が良かったです。米澤さんの『さよなら妖精』のスピンオフが嬉しいサプライズでした。
読了日:06月10日 著者:秋月 涼介,北山 猛邦,米澤 穂信,村崎 友,越谷 オサム,桜坂 洋
かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)
外国語を話せる猫のマドレーヌ。小学校一年生のかのこちゃん。二人の友情物語かと思ったら違うんですね。やられた!という感じです。優雅なマドレーヌと好奇心いっぱいのかのこちゃん。それぞれが毎日を大切に生きていく過程で、出会いがあれば別れがあって。そしてマドレーヌと玄三郎の二人の関係が、とても穏やかで眩しかったです。人間に化けたマドレーヌがかのこちゃんの腕を掴んで思わず発した言葉に涙が止まりませんでした。鹿男も出てきたり、茶柱にふいたり、とても可愛くて優しい物語。かのこちゃん、将来大物になりそうですね。
読了日:06月10日 著者:万城目 学
月と六ペンス (新潮文庫)月と六ペンス (新潮文庫)
「僕はもう描かないじゃいられないのだ」。芸術という目的のために、他人のみならず自己さえも犠牲にして顧みなかった男。嫌な男であり、偉大でもあり、そして誰よりも孤独だった男。安定した暮らしや妻子を捨ててまで彼が求めたものとは何だったのだろうと考えさせられました。彼が求めたのではなく、芸術が彼を求め、連れ去ったのかも知れませんね。語り手の「僕」の冷静な判断力とストリックランドの情熱との対比がとても面白く、そしてときに哀しく、見る者を魅了する芸術に込められた魂を見せつけられ圧倒され続けました。★★★★★
読了日:06月10日 著者:サマセット・モーム
太陽のパスタ、豆のスープ太陽のパスタ、豆のスープ
最初彼女の口の中のものはぱさぱさとして食べ物かどうかもわからないものだった。それが少しずつ味を取り戻していくのと同時に、彼女も自分自身でしっかり歩いていく道を取り戻していく。自分の「毎日」をつくっていくための鍋。その鍋で豆を煮る。どんな芽が出てくるのでしょう。挫折から起き上がり、再生へと少しずつ進んでいく女性の複雑で繊細な心の動きが細やかに描かれています。靴や歌、豆。自分たちの周りに溢れている当たり前のものが、突然自分を助ける大きな力となってくれるのを宮下さんの作品は教えてくれます。大好きです。
読了日:06月10日 著者:宮下 奈都
赤い指 (講談社文庫)赤い指 (講談社文庫)
事件の捜査や犯行の経緯を淡々とたどりこのまま終わっちゃうのかも?とちょっと拍子抜けしながら読み進めていたのですが最後にはしっかり落とし所があり、納得。犯人一家の親子関係。加賀刑事親子の関係。犯罪を前にして狂ってしまった愛。死を前にしても頑なに信条を貫く愛。何が正しくて何が間違っているのか。愛を前にするとわからなくなってきますね。やるせないです。ちりん、となる鈴の音が今でもずしりと心に圧し掛かってきます。★★★☆☆
読了日:06月08日 著者:東野 圭吾
吉祥寺の朝日奈くん吉祥寺の朝日奈くん
吉祥寺の書店にずらっと並んでいたので、知っている街並みが舞台なら楽しめそうと気軽に手に取ったのですが、ずっきゅんと打たれちゃいました。読んでいて、あ、好き好き!とどんどん嬉しくなるあの感じ。どの短編も最後にちょっと苦味の効いた隠し味が入れてあって、それが物語をとても愛しいものにしてくれています。登場人物たちも皆、何だか憎めない。短編なのに早くも情が湧いちゃうほど。さらりと読めちゃいそうなのに、ひとつひとつの情景を思い浮かべたり、せりふを噛みしめたりして時間をかけて読み終えました。
読了日:06月08日 著者:中田永一
カラーひよことコーヒー豆カラーひよことコーヒー豆
繊細な心を持って、真面目でたおやかな雰囲気が文章から感じられました。意外にも小心なところが多く、あのような凄い小説を書いている方とは思えない部分もあり、親近感が持てました。「小さな命に救われながら」や「本物のご褒美」はほんのり涙腺を刺激されたりもして。特に心に響いたのは「届かない手紙」。自分も出さなきゃと思いつつ後回しして出さなかった手紙がいっぱいあり、もし出していたらどんな手紙が届いていたのだろうと思いを巡らせながら読みました。
読了日:06月03日 著者:小川 洋子
オール・マイ・ラビング 東京バンドワゴンオール・マイ・ラビング 東京バンドワゴン
大好きなシリーズの第五弾。さらに賑やかさを増したバンドワゴン。相関図もどんどん枝を広げていきそうですね。この賑やかな一家にも、毎回、何らかの事件や不安な出来事は振りかかってきます。でも彼らなら大丈夫。そう思える強さと絆を持った家族に友人たち。だからいつも安心してページをめくることができます。一年ずつ年月は確実に過ぎ、変化が訪れます。サザエさんじゃないのですから当たり前なのですが、その変化が嬉しくもあり少し寂しくもあり、複雑な気分です。家の歴史はつづいていく。サチさんの言葉にはいつもはっとさせられます。
読了日:06月03日 著者:小路 幸也

読書メーター


-------------------------

久々の更新になってしまいました。
もうすぐ7月が終わろうとしているところですが、6月に読んだ本のまとめです。

大好きな東京バンドワゴンシリーズの最新刊や宮下奈都さんの新作はもちろん、新しい作家さんとも出会えて良い月でした。
某作家さんの別名義ではと言われている中田永一さんの『吉祥寺の朝日奈くん』。
何というか大人のコバルト気分が味わえてとても良かったです。
きゅっと乙女心をつかんできます。
梓崎 優さんの『叫びと祈り』は秀逸でした。すごい作家さんが現れたなぁと今後が楽しみです。
モームの『月と六ペンス』も読みごたえあって(文章自体はとても読みやすいです)、ゴーギャンよりもゴッホ派な私ですが、とても興味深く楽しめました。

毎日暑い日々が続いてますね。
美味しいコーヒー片手に涼しいカフェで涼みながら本を読みたいものです。
それではまた♪

《↓ 応援していただけると励みになります☆》
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ人気ブログランキングへ
COMMENT (2)  TRACKBACK (0)  EDIT | 

宮下奈都 『よろこびの歌』

2010.06.13 *Sun
よろこびの歌よろこびの歌
(2009/10/17)
宮下 奈都

商品詳細を見る

内容(「BOOK」データベースより)
御木元玲は著名なヴァイオリニストを母に持ち、声楽を志していたが、受かると思い込んでいた音大附属高校の受験に失敗、新設女子高の普通科に進む。挫折感から同級生との交わりを拒み、母親へのコンプレックスからも抜け出せない玲。しかし、校内合唱コンクールを機に、頑なだった玲の心に変化が生まれる…。あきらめ、孤独、嫉妬…見えない未来に惑う少女たちの願いが重なりあったとき、希望の調べが高らかに奏でられる―いま最も注目すべき作家が鮮烈に描く、青春小説の記念碑。



夢に挫折した少女たちをめぐる連作短編集です。

物語は有名ヴァイオリニストの娘で、声楽を目指すも受験に失敗し、音楽とは縁のない新設高校へ進むことになった少女・御木元玲の物語から始まります。

静かにただ日々をやりすごしていた玲。
でもある日、合唱コンクールが開かれることになり、否が応でも再び歌に触れることに。
歌を歌うことをきっかけに、クラスメイトとの距離、歌との距離に変化が現れ…。

未来は無限に広がっているのに、一回の失敗で真っ暗闇に落ちたように、不安や焦りばかり先立ってしまう年代ですよね。
でも視点をひとつ変えるだけで全く違った道が見えてくるもの。
そんなきっかけを、歌を歌うことを通じて見つけることができた少女たち。
心に閉じ込めていた気持ちを、少しずつ少しずつ、開いていくことによって、まるで音符がつながっていくように少しずつメロディが生まれ、最後には圧巻のハーモニーを奏でてくれる。

何の期待も抱いていなかった高校での生活から生まれた煌めき。
何も無いからこそ、これからなんですね。
喜びの笑顔を忘れずに未来に踏み出してほしいです。

光がきらきらと彼女たちのハーモニーに乗って輝いているのが見えるようでした。
とても素敵な一冊です。

お気に入り度:★★★★★ (2010年2月24日読了)

PS.無性に『スコーレNo.4』を読み返したくなりました。

《↓ 応援していただけると励みになります☆》
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ人気ブログランキングへ
COMMENT (2)  TRACKBACK (1)  EDIT | 

角田光代 『八日目の蝉』

2010.06.12 *Sat
八日目の蝉八日目の蝉
(2007/03)
角田 光代

商品詳細を見る

内容(「BOOK」データベースより)
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるのだろうか。理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。角田光代が全力で挑む長篇サスペンス。



不倫相手の赤ちゃんを誘拐し逃亡する女性と、誘拐された子供の話。
これだけ聞くとなんて悪い女、となるのですが、ここに至るまでには彼女もとても苦しみます。
愛した相手の裏切りはもとより、泣く泣く諦めた命のことを彼の妻に馬頭されるなど、読んでいて苦しくて苦しくて。

赤ちゃんを一目みた瞬間、愛しくて愛しくて思わず抱いて逃げてしまった希和子。
一度抱いたその柔らかさと温かさを彼女は手放せなくなるんですね。
薫と名付け大事に育てます。
はたから見ると事情はあれども普通に仲の良い親子。
でもいつまでこの幸せは続くのか。
突然子供を失った両親はどんな気持ちだったのか。

ページをめくる手は止まりません。

蝉は七日間で死んでしまう。
でももし自分だけ八日目まで生き残ってしまったら。
八日目の蝉になってしまったとき、どう生きていけばいいのか。
そこに見える世界は天国なのか地獄なのか。

いろいろな母親のかたち、愛情のかたち、憎しみの形を見せられました。
それは決して透き通った美しいものばかりではなかったけれど、こうも強い愛情があるのかと惹きこまれました。

成長した薫が、十七年前に希和子が叫んだ最後の言葉を思い出し、彼女が失っていた人生の色が押し寄せてきたとき、涙を抑えることができませんでした。

常識的に考えれば許されないことなのに、誰も憎むことができなくて。
読み終わったときにはそれぞれの不器用さが愛おしく思えるくらいでした。

いつか二人が見つめる瀬戸内の海の煌めきが交わることがありますように。

お気に入り度:★★★★☆ (2010年5月7日読了)

《↓ 応援していただけると励みになります☆》
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ人気ブログランキングへ

COMMENT (4)  TRACKBACK (2)  EDIT | 

高楼方子 『十一月の扉 』

2010.06.11 *Fri
十一月の扉 (新潮文庫)十一月の扉 (新潮文庫)
(2006/10)
高楼 方子

商品詳細を見る


中学二年生の爽子。
ある日双眼鏡で素敵な白い家を見つけて自転車を漕いでそっと訪れます。
爽子の心の中に眠っている何かを呼び覚ましてくれるような素敵な一軒の洋館。
急に東京へと転校することになった爽子は、その家に下宿したいと親に申し出ます。
そして2ヶ月間、爽子は家族と離れて十一月荘と名付けられたそのお屋敷ですごすことになるのです!

オーナーの閑さん、建築士の苑子さん、馥子さんとその娘さんで小学生のるみちゃん、閑さんに英語を習いにやってくる謎の少年、耿介。素敵な文房具屋さんに、賑やか過ぎるお隣のマダム、美味しいジャムにパンケーキ!

そして素敵な一冊のノートとの出会い。ドードー鳥が飾られたそのノートに、爽子は十一月荘の住人達を動物になぞらえて、ドードー森の物語を紡ぎはじめます。

転校を前に不安でとげとげしていた爽子の心を、十一月荘での穏やかな暮らしがゆっくりと甘いはちみつのように溶かしていきます。
ドードー鳥の物語がどんどん創り出されてノートが満たされていくのと同時に、爽子の気持ちも満たされていくのです。
素敵な楽しい物語はちょっと見方を変えればそこにもここにも転がっている。
普段、私たちはバタバタしていて見逃してしまうけれど、十一月荘の暮らしが爽子にそれを見つける術を自然と教えてくれたのですね。

感じ悪い!と思いつつも惹かれていく耿介への淡い想い。
将来への不安、離れたくない、東京へなんか行きたくない、お母さんなんか嫌い、様々な思いを抱えた爽子でしたが、十一月荘の人たちと話すことで、未来へ向かう勇気、生きることの楽しさ、様々なことを見て吸収し、そして成長していきます。
たった二か月の生活が少女を大きく変えていきます。

ラストの潔さも良かったです。

その後の爽子が気になっていた私。
文庫版のあとがきの「耿介からの手紙」。
高楼方子さんの大学生時代の作品を読んだ斎藤惇夫さんがお書きになっています。
三十年後の耿介からという設定です。こちらもとても良かったです。

温かく懐かしい気持ちと同時にとても切なく胸に響く作品でした。
この気持ちを忘れないよう、ときどき手にとって読みたい一冊です。

お気に入り度:★★★★☆ (2010年4月28日読了)

《↓ 応援していただけると励みになります☆》
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ人気ブログランキングへ
COMMENT (0)  TRACKBACK (0)  EDIT | 



Copyright © ホシノ図書館 All Rights Reserved.
テンプレート配布者:サリイ  ・・・  素材:TripISM

星が見える名言集100



プロフィール

Spica

Author:Spica
本の感想、映画の感想を綴っています。

ペーパー図書館司書です。
恩田陸、原田マハ、小川洋子、梨木果歩、森見登美彦、伊坂幸太郎、村上春樹、米澤穂信、穂村弘、瀬尾まいこ、森絵都、エンデ、キャロル、オースター、オースティン、マキューアン・・・など。

*当ブログ内の文章、データ等の無断転用、転載をお断りします。

spicaさんの読書メーター

spicaの今読んでる本

spicaの最近観たビデオ

ブグログ Spicaの本棚



↓参加中♪
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
人気ブログランキングへblogram投票ボタン





ブログ内検索



Twitter

Twitterボタン
Twitterブログパーツ



月別アーカイブ

07  06  01  11  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  01  12  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  08 



表示中の記事リスト

表示中の記事
←前 →次



Tree-Comment



最近のトラックバック



大切な一冊



最近の記事



カテゴリ

【読書メーター(読書記録)】 (25)
【あ行の作家】 (56)
浅田次郎 (4)
有川 浩 (7)
伊坂幸太郎 (9)
石田衣良 (1)
市川拓司 (1)
上橋菜穂子 (3)
大崎 梢 (4)
大崎善生 (1)
小川洋子 (2)
奥田英朗  (3)
恩田 陸 (17)
その他 あ行の作家 (4)
【か行の作家】 (15)
海堂 尊 (4)
角田光代 (3)
川上弘美 (1)
北村薫 (2)
近藤史恵 (2)
その他 か行の作家 (3)
【さ行の作家】 (21)
桜庭一樹 (3)
重松 清 (1)
雫井 脩介 (2)
小路幸也 (5)
瀬尾まいこ (4)
その他 さ行の作家 (6)
【た行の作家】 (8)
たかのてるこ (3)
辻村深月 (2)
豊島ミホ (1)
その他 た行の作家 (2)
【な行の作家】 (5)
中原みすず (1)
西川美和 (1)
その他 な行の作家 (3)
【は行の作家】 (11)
初野 晴 (2)
東野圭吾 (6)
誉田哲也 (3)
【ま行の作家】 (33)
万城目学 (2)
三浦しをん (2)
三崎亜記  (2)
宮下奈都 (3)
宮部みゆき (3)
森 絵都 (4)
森見登美彦 (8)
その他 ま行の作家 (9)
【や行の作家】 (24)
米澤穂信 (19)
その他 や行の作家 (5)
【海外の作家(ア~ナ行)】 (4)
【海外の作家(ハ行~ワ行)】 (9)
【アンソロジー】 (2)
【絵本・児童文学】 (38)
酒井駒子の絵本 (3)
センダックの本 (5)
【本に纏わる雑記】 (5)
【鑑賞メーター(映画)】 (6)
【映画作品】 (15)
洋画タイトル(ア行) (1)
洋画タイトル(サ行) (2)
洋画タイトル(タ行) (1)
洋画タイトル(ハ行) (1)
洋画タイトル(マ行) (1)
洋画タイトル(ラ行) (2)
韓国映画(カ行) (1)
韓国映画(ハ行) (1)
韓国映画(マ行) (1)
邦画タイトル(あ行) (1)
邦画タイトル(か行) (0)
邦画タイトル(は行) (1)
邦画タイトル(ま行) (2)
未分類 (0)



全記事表示リンク

全ての記事を表示する



人気記事ランキング



お気に入り読書blog list



リンク

このブログをリンクに追加する



気になる新刊情報♪

気になる作家さんの新刊リストです(自動更新)



RSSフィード



FC2カウンター



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。