スポンサーサイト

--.--.-- *--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
EDIT | 

桜庭一樹 「青年のための読書クラブ」

2007.10.29 *Mon
青年のための読書クラブ青年のための読書クラブ
(2007/06)
桜庭 一樹

商品詳細を見る


【内容】
東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。校内の異端者だけが集う「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の〈クラブ誌〉があった。そこには学園史上抹消された数々の珍事件が、名もない女生徒たちによって脈々と記録され続けていた――。今もっとも注目の奇才が放つ、史上最強にアヴァンギャルドな“桜の園”の100年間。 (Amazonより)


青年といいつつページを開いてみるとそこは麗しの女子校が舞台です。しかも良家の子女が集まる山の手のお嬢様学校。そこで繰り広げられる年代の異なる5つの物語。

1969年、ドブ臭い異臭をはなちながらも長身でブロンズ像のような美しいかんばせを持ったある転入生が入ってきたところから物語は始まります。自分達とは違う貧乏臭いニオイから行き場をなくした気弱な彼女が唯一辿り着いた先は異形のものが集まる「読書クラブ」だったのです。その長身の少女、烏丸紅子をその学園の「王子」にしたてあげ学園を支配するという目的のために読書倶楽部の部長アザミが動き出します。

のっけからぐいぐいその甘美で毒のある世界に引き込まれてしまいました。シラノドベルジュラックのごとく、容貌が醜いために陰で紅子を操り貴公子に仕立てあげていくアザミの胸の奥底に潜む女としての悔しさや刹那さなども折り込みつつ、シニカルな笑いを誘う結末が待っていて・・・。

読書クラブ誌に記された出来事を読み進める構成になっていて面白いです。第二章では舞台は1919年のパリへ・・・。ここで聖マリアナ学園の生みの親であるマリアナの数奇な人生が語られます。

第三章では1989年に読書クラブに突然やってきた3人の亡命者にまつわる騒動を、第四章では2009年の読書クラブ出身のロックスター少女事件がクラブ誌に綴られています。

そして最後の第五章は2019年が舞台。聖マリアナ学園誕生から100年。マリアナは昔、この100年目にあることが起こると占い師に予言されていたのですが、とうとうその年を迎えます。その年、読書クラブの部員はたった一人。悲惨にも老朽化激しい部室をも追い出され・・・・。また、学園には正体のわからない救世主である「ブーゲンビリアの君」旋風が巻き起こります。

物語は100年にもわたるものとなっているのですが、読み終わったときにはそれらが「読書クラブ」を通じて結びつき、一人の女性、聖マリアナの謎に満ちた人生の終わりと共に戻らない青春の切なさが胸に染み渡り、こんな癖のある作品世界なのに意外にも爽やかなものさえ感じました。毒があるというかユーモアというか、皮肉というか愛らしいというか、下北の劇場で観る舞台の世界が広がっているような何とも魅力的な世界ですね。

お気に入り度:★★★★☆

rankingtag にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
関連記事
スポンサーサイト
COMMENT (4)  TRACKBACK (1)  EDIT | 

COMMENT

桜庭さんの描く学園の物語、とても魅力的な世界でしたね~。
ほぅっと憧れてしまうような設定あり、逆に笑ってしまったり、仰るように毒のある部分も感じられて・・・堪能しました。
5つの話以外に、どんな歴史がクラブ誌には綴られているんだろう?
かなり気になりませんか?(^_^)
2007/10/29(月) 21:06:28 | URL | エビノート #- [Edit
言われてみると癖も毒もある世界なのに、
読み終えてみると甘酸っぱいような爽やかさがありました。
こういう世界大好きです。
桜庭さんの描く世界にもうメロメロです。

気づいたら彼女たちの読書クラブ誌を読んでいたわけですが、
他の記事も読んでみたい!そう思ってしまいます。
2007/10/29(月) 22:28:31 | URL | june #- [Edit
>エビノートさん
こんにちは!本当に魅力的ですね~。現実から遠い世界のようでいて妙にリアルだったりして、読んでいて引き込まれます。100年の歴史があるわけですからクラブ誌も実はもっともっとどこかに隠されているんでしょうね。いつかまたどこかで紐解いてほしいですね!
2007/10/30(火) 18:17:51 | URL | Spica #YAj0RVgU [Edit
>juneさん
こんにちは!毒も癖もあると個人的にはまっていても他の人に気軽に薦めていいのか悩んだりしますが、この作品はそれでいて胸の奥をぐぐっとついてくる切ないような爽やかさが残り、多くの人に堪能してほしい~と思いました。是非番外編などでまた読書クラブのメンバーに会いたいですね。
2007/10/30(火) 18:23:33 | URL | Spica #YAj0RVgU [Edit

Comment Form


秘密にする
 

TRACKBACK

TrackBack List

青年のための読書クラブすごくおもしろかったです!表紙からして一目ぼれだったんですが、中身も素晴らしい!こういうの大好きです。東京山の手にあるお嬢様学校が舞台というだけで、かつての少女マンガファンとしてはたまらないものがあります。お嬢様学校の話というこ....
2007/10/29(月) 22:22:51 | 本のある生活 [Del


Copyright © ホシノ図書館 All Rights Reserved.
テンプレート配布者:サリイ  ・・・  素材:TripISM

星が見える名言集100



プロフィール

Spica

Author:Spica
本の感想、映画の感想を綴っています。

ペーパー図書館司書です。
恩田陸、原田マハ、小川洋子、梨木果歩、森見登美彦、伊坂幸太郎、村上春樹、米澤穂信、穂村弘、瀬尾まいこ、森絵都、エンデ、キャロル、オースター、オースティン、マキューアン・・・など。

*当ブログ内の文章、データ等の無断転用、転載をお断りします。

spicaさんの読書メーター

spicaの今読んでる本

spicaの最近観たビデオ

ブグログ Spicaの本棚



↓参加中♪
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
人気ブログランキングへblogram投票ボタン





ブログ内検索



Twitter

Twitterボタン
Twitterブログパーツ



月別アーカイブ

07  06  01  11  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  01  12  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  08 



表示中の記事リスト

最新の記事



Tree-Comment



最近のトラックバック



大切な一冊



最近の記事



カテゴリ

【読書メーター(読書記録)】 (25)
【あ行の作家】 (56)
浅田次郎 (4)
有川 浩 (7)
伊坂幸太郎 (9)
石田衣良 (1)
市川拓司 (1)
上橋菜穂子 (3)
大崎 梢 (4)
大崎善生 (1)
小川洋子 (2)
奥田英朗  (3)
恩田 陸 (17)
その他 あ行の作家 (4)
【か行の作家】 (15)
海堂 尊 (4)
角田光代 (3)
川上弘美 (1)
北村薫 (2)
近藤史恵 (2)
その他 か行の作家 (3)
【さ行の作家】 (21)
桜庭一樹 (3)
重松 清 (1)
雫井 脩介 (2)
小路幸也 (5)
瀬尾まいこ (4)
その他 さ行の作家 (6)
【た行の作家】 (8)
たかのてるこ (3)
辻村深月 (2)
豊島ミホ (1)
その他 た行の作家 (2)
【な行の作家】 (5)
中原みすず (1)
西川美和 (1)
その他 な行の作家 (3)
【は行の作家】 (11)
初野 晴 (2)
東野圭吾 (6)
誉田哲也 (3)
【ま行の作家】 (33)
万城目学 (2)
三浦しをん (2)
三崎亜記  (2)
宮下奈都 (3)
宮部みゆき (3)
森 絵都 (4)
森見登美彦 (8)
その他 ま行の作家 (9)
【や行の作家】 (24)
米澤穂信 (19)
その他 や行の作家 (5)
【海外の作家(ア~ナ行)】 (4)
【海外の作家(ハ行~ワ行)】 (9)
【アンソロジー】 (2)
【絵本・児童文学】 (38)
酒井駒子の絵本 (3)
センダックの本 (5)
【本に纏わる雑記】 (5)
【鑑賞メーター(映画)】 (6)
【映画作品】 (15)
洋画タイトル(ア行) (1)
洋画タイトル(サ行) (2)
洋画タイトル(タ行) (1)
洋画タイトル(ハ行) (1)
洋画タイトル(マ行) (1)
洋画タイトル(ラ行) (2)
韓国映画(カ行) (1)
韓国映画(ハ行) (1)
韓国映画(マ行) (1)
邦画タイトル(あ行) (1)
邦画タイトル(か行) (0)
邦画タイトル(は行) (1)
邦画タイトル(ま行) (2)
未分類 (0)



全記事表示リンク

全ての記事を表示する



人気記事ランキング



お気に入り読書blog list



リンク

このブログをリンクに追加する



気になる新刊情報♪

気になる作家さんの新刊リストです(自動更新)



RSSフィード



FC2カウンター



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。