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角田光代 『八日目の蝉』

2010.06.12 *Sat
八日目の蝉八日目の蝉
(2007/03)
角田 光代

商品詳細を見る

内容(「BOOK」データベースより)
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるのだろうか。理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。角田光代が全力で挑む長篇サスペンス。



不倫相手の赤ちゃんを誘拐し逃亡する女性と、誘拐された子供の話。
これだけ聞くとなんて悪い女、となるのですが、ここに至るまでには彼女もとても苦しみます。
愛した相手の裏切りはもとより、泣く泣く諦めた命のことを彼の妻に馬頭されるなど、読んでいて苦しくて苦しくて。

赤ちゃんを一目みた瞬間、愛しくて愛しくて思わず抱いて逃げてしまった希和子。
一度抱いたその柔らかさと温かさを彼女は手放せなくなるんですね。
薫と名付け大事に育てます。
はたから見ると事情はあれども普通に仲の良い親子。
でもいつまでこの幸せは続くのか。
突然子供を失った両親はどんな気持ちだったのか。

ページをめくる手は止まりません。

蝉は七日間で死んでしまう。
でももし自分だけ八日目まで生き残ってしまったら。
八日目の蝉になってしまったとき、どう生きていけばいいのか。
そこに見える世界は天国なのか地獄なのか。

いろいろな母親のかたち、愛情のかたち、憎しみの形を見せられました。
それは決して透き通った美しいものばかりではなかったけれど、こうも強い愛情があるのかと惹きこまれました。

成長した薫が、十七年前に希和子が叫んだ最後の言葉を思い出し、彼女が失っていた人生の色が押し寄せてきたとき、涙を抑えることができませんでした。

常識的に考えれば許されないことなのに、誰も憎むことができなくて。
読み終わったときにはそれぞれの不器用さが愛おしく思えるくらいでした。

いつか二人が見つめる瀬戸内の海の煌めきが交わることがありますように。

お気に入り度:★★★★☆ (2010年5月7日読了)

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COMMENT (4)  TRACKBACK (2)  EDIT | 

COMMENT

TBさせていただきました。
何だか胸が締めつけられるような思いで読みつづけたことを思いだしていました。人はいったい何のために生きているんだろうとか、そんなことまでふと感じさせられる、そんな妙な凄味がありましたね。
2010/06/14(月) 05:04:27 | URL | 時折 #- [Edit
母って
 最初は愛人の子どもを盗む話と聞いて、気が進まなかったのですが、皆さんの評判がよくて読んでみました。
 逃げれば逃げるほど、苦しくて苦しくて…

 でも、希和子が最後に叫んだ言葉…やったことは間違っていても、希和子は紛れもなく「母」だったのだと思いました。
2010/06/14(月) 20:19:46 | URL | なぎ #- [Edit
>時折さんへ
こんばんは。TBありがとうございます^^
そうですよね。
決して手放しで祝福されるような幸せは来ないとわかっていながらの限られた幸せ。
幸せとは、人生とは、と考えさせられる一冊でしたね。
2010/06/15(火) 22:48:46 | URL | * Spica * #YAj0RVgU [Edit
>なぎさんへ
こんばんは。
誘拐した子供でなければ、誰もが羨むほどお互いを思いあっている母娘になっていたでしょうね。
そしてもとの家に戻った後の薫の苦しみ。
何が正しくて何が正しくないのか、わからなくなってしまいます・・・。
最後の言葉は忘れられないですよね・・・(><)
2010/06/15(火) 22:51:49 | URL | * Spica * #YAj0RVgU [Edit

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八日目の蝉著者:角田 光代販売元:中央公論新社発売日:2007-03おすすめ度:クチコミを見る 角田光代が切り拓きつつある新境地とは、「とっても微妙な新境地」と言うべきでしょう・・・出版社/著者からの内容紹介 逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれる...
2010/06/14(月) 05:01:12 | 時折書房 [Del
 不倫相手の上司秋山に、「今回は見送って、きちんとしてから子どもを作ろう」と促され、やむなく堕胎した希和子は、その2か月後秋山の妻恵津子の妊娠を知らされ、別れる決意をする。しかし、秋山は執拗に交際を迫り、2人の関係は妻の知るところとなる。秋山の思わせぶり...
2010/06/14(月) 20:24:33 | 陽だまりの図書館 [Del


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