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イアン・マキューアン「初夜」

2010.02.10 *Wed
初夜 (新潮クレスト・ブックス)初夜 (新潮クレスト・ブックス)
(2009/11/27)
イアン・マキューアン

商品詳細を見る

内容(「BOOK」データベースより)
歴史学者を目指すエドワードと若きバイオリニストのフローレンスは、結婚式をつつがなく終え、風光明媚なチェジル・ビーチ沿いのホテルにチェックインする。初夜の興奮と歓喜。そしてこみ上げる不安―。二人の運命を決定的に変えた一夜の一部始終を、細密画のような鮮明さで描き出す、優美で残酷な、異色の恋愛小説。



心では愛しあっているはずなのに、お互いその気持ちに応えられない男女の人間という考える生き物である故の切ない物語。

その当時の時代背景、家庭環境、男女の違い、そういったことを基盤に、まだ「自由」がなかった男女の心と身体の繊細な動きを本当に細やかに描写していて見事でした。

今の時代から当時の二人を見ると何とも子どもっぽく、滑稽にすら映るかも知れません。
でもマキューアンの巧みな文章に引き込まれ、すっかり自分も同じ時代を生きる若者になった気分で、愛する相手の一挙一動に打ち震えながら読みました。
結婚初夜のほんの数時間のうちに、どうしてここまで狂ってしまったのか。
お互いの思いやりよりも、二人の間に存在していた小さなズレが大きくなってしまったうように思えます。

フローレンスの態度にひどく侮辱されたと感じたエドワードは彼女は自分など愛していなかった、彼女はただ夫というものがほしかっただけ、騙された、とまで感じてしまうんですね。
本当は、フローレンスは愛しているから彼女のなりに努力していたのに。
フローレンスの最後の最後の申し出は、あの時代にしてはすごい画期的。

二人とも、結婚までゆっくり時間をかけてひとつひとつ積み上げてきたのに、壊れるときは性急でした。
立ち止まったり、すこし離れて考えてみればきっと違った人生になっていたのに。
でも悔やんでも仕方がない。
それが男女。
それが人生。

彼らがあと10年遅く生まれていたら変わったのだろうか。
あそこで言葉を返せば取り戻せたのだろうか。

考えさせられる一冊です。

お気に入り度:★★★★☆ (2010年1月28日読了)

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COMMENT (2)  TRACKBACK (0)  EDIT | 

COMMENT

滑稽で切なくて哀しい
こんにちは。はじめまして(かな?)。
「間違えて死なせてしまった愛」への鎮魂歌
といった趣の、味わい深い小説でした。
口にしてしまった不用意な言葉は消せないし
起きてしまったことはもうなかったことにはできない・・・。
でもフローレンスは約束どおりモーツァルトの五重奏曲を弾いたのですね。

切ない物語でした。
2010/02/23(火) 21:05:14 | URL | 木曽のあばら屋 #GHYvW2h6 [Edit
>木曽のあばら屋 さんへ
こんばんは。はじめまして。
コメントありがとうございます(^^)

> 「間違えて死なせてしまった愛」への鎮魂歌

素敵な言葉ですね!

取り戻そうと思えば取り戻せていたはずなのに
若さゆえにそれもできず、結局はずっと後々まで深く心に重くのしかかってしまっていて。
切なくて濃密な一冊でしたね。
2010/02/23(火) 22:39:30 | URL | * Spica * #YAj0RVgU [Edit

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