This Archive : 2008年03月

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宮下奈都 「スコーレ No.4」

2008.03.25 *Tue
スコーレNo.4スコーレNo.4
(2007/01/20)
宮下 奈都

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骨董屋の長女、麻子の物語。
中学校、高校、大学、そして社会という4つの学校。
骨董屋の娘として、2人の妹の姉として生まれた麻子。
とても美しい次女・七葉、天真爛漫な末っ子の紗英。
華やかな二人とは対照的に、少し内にこもりがちな、自分の世界を持っていてその中からでることのない麻子。
姉妹でもあり親友でもあった七葉。でも成長するにつれて二人の間には溝が開いていく。それも静かにゆっくりと。

麻子という女の子は常に何だか悩んでいて自分に自信が持てなくて欲しいものができても最後までそれを守り通すことがなかなかできない。
それに比べて対照的に七葉は芯がしっかりしており、且つ、欲しいものを手に入れることに躊躇はない。
そんな姉妹が恋をしたり、挫折したりしながら成長して変化していく姿が心に染み渡りました。
決して華やかな物語ではありませんが、だからこそ、より感情に訴えかけてくるのかもしれません。人生なんてそんな華やかなものばかりではなく、しずかな小さなことの積み重ねだと思うから。

七葉から離れて、社会人になった麻子が、英語が活かせると言う理由で輸入貿易商社に入り、でも何故か靴屋で店員をするはめになり、仕事に、そして人生にも恋にも夢中になれない、全体的に無関心に生きてきた彼女が「靴」を通して人と触れ合ったとき、大切なもの、かけがえのない人を見つけることができたとき、とても感動を覚えました。懐かしくもあり、羨ましくもある、甘く切ない感じで胸がいっぱいになりました。

お気に入り度:★★★★★

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恩田 陸 「猫と針」

2008.03.25 *Tue
猫と針猫と針
(2008/02)
恩田 陸

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【内容】
人はその場にいない人の話をする――。友人の葬式の帰り、久々に学生時代の仲間が集まった。一見なごやかな宴だが、やがて漂う不穏な空気。この集まりの本当の意図とは? 閉鎖空間で展開する心理サスペンス会話劇。戯曲執筆の舞台裏を赤裸々に綴る書き下ろしエッセイ「『猫と針』日記」も収録。遂にベールを脱ぐ、恩田陸〈初戯曲〉。



恩田陸が演劇集団キャラメルボックスのために書き下ろした戯曲とのこと。
私はキャラメルの劇をかれこれ15年近くずーっと観てきているのですが、ここのところちょっとペースダウンをしており昨年のこの公演・・・・全くのノーチェックでございました!あちゃーって感じです。大好きなキャラメルと大好きな恩田さんとのコラボを見逃すなんて!です・・・。

ラッキーなことに戯曲として発売されたので図書館で借りることができて良かったです。
題名からは全くストーリーの想像がつきません。読み終わってみても・・・はて? (猫は出てきましたよね。針は・・う~ん、自分の記憶力の限界が)
とにもかくにも、喪服をきた男女5人がその場にいない人の話をする話、ということに間違いはありません。
最初から最後までずーっと同じ場面で、多少人が出入りするだけなのです。
話をするうちに、今までベールに包まれていた各々の隠されていた闇の部分が浮き上がり、謎が謎を呼び混乱していく。
ひたすら心理戦です。作家恩田さんならではの脚本という印象を受けました。

巻末には脚本ができあがるまでの日記がついてあるのですが、ここに初の舞台脚本を書くことになった恩田さんの苦悩っぷりが手に取るように見て取れて、とても面白ろおかしく(・・・すみません)読ませていただきました。本とは違って実際の客の反応とか伝わってくるからすごく大変な仕事ですよね。いつかまた、恩田さんの舞台戯曲が生まれるときがきたら、次回は見逃さないようにしたいな、と思いました。

お気に入り度:★★★☆☆

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佐藤多佳子 「一瞬の風になれ 第三部 -ドン-」

2008.03.12 *Wed
一瞬の風になれ 第三部 -ドン-一瞬の風になれ 第三部 -ドン-
(2006/10/25)
佐藤 多佳子

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【内容】
高校の最終学年を迎えた新二。入部当時はまったくの素人だったが、今では県有数のベストタイムを持つまでに成長した。才能とセンスに頼り切っていた連も、地道な持久力トレーニングを積むことで、長丁場の大会を闘い抜く体力を手にしている。
100m県2位の連、4位の新二。そこに有望な新入生が加わり、部の歴史上最高級の4継(400mリレー)チームができあがった。目指すは、南関東大会の先にある、総体。もちろん、立ちふさがるライバルたちも同じく成長している。県の100m王者・仙波、3位の高梨。彼ら2人が所属するライバル校の4継チームは、まさに県下最強だ。
 部内における人間関係のもつれ。大切な家族との、気持ちのすれ違い。そうした数々の困難を乗り越え、助け合い、支え合い、ライバルたちと競い合いながら、新二たちは総体予選を勝ち抜いていく――。



再び走り始めた新二。もう彼を止めるものなんて何もない!ってくらいまっすぐに前に伸びるコースだけを見て走り抜いた彼らがひたすら爽やかでした。
何だか一緒に自分もゴール!した気分です。本読んでるだけなのに全力を尽くしてぐったりしちゃった感じ(笑)。

新二たちもとうとう3年生。速い足をもつ新入生、鍵山君も入部してきてまたまた問題も勃発したり・・・。
4継のメンバーにその問題児君が入ってくるのですが、その4人、いえ、サブにまわった根岸の5人で少しずつ少しずつバトンがつながれていく様子が丁寧に描かれていて良かったです。リレーはその4人だけのものじゃないんですね。代々つながれてきた大事な想い。それをしっかりと受け止めた新二たちはこれからますます大きく成長していくんだろうなぁ。

それにしても思春期の高校生なのに陸上一色ですごいなぁ(笑)。もちろん、あわ~いあわ~い恋心もちょこちょこっと出てきて、それが更に物語を爽やかにしているのですが「さすがに淡すぎないか!」って突っ込みたくなるほど可愛いものでした。いつか、陸上以外の彼らの生活をちょっと垣間見れるような番外篇とか読みたくなりました。

本当に風が吹き抜けていくような、自分も風になって一緒に走り抜けたような、そんな小説でした。

お気に入り度:★★★★☆

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恩田 陸 「いのちのパレード」

2008.03.12 *Wed
いのちのパレードいのちのパレード
(2007/12/14)
恩田 陸

商品詳細を見る

【内容】
<あの黒い表紙、強烈な帯コピー、シンプルかつ洗練されたデザイン。手に取った時の、嬉しいような怖いようなおののきを今でも覚えている。(中略)かつて「幻想と怪奇」というジャンルのくくりでお馴染みであった、奇妙でイマジネーション豊かな短編群には、今なお影響を受け続けている。あの異色作家短篇集のような無国籍で不思議な短編集を作りたい、という思いつきから連載をさせてもらった>(あとがきより)。 (Amazonより抜粋)



恩田ワールド炸裂の、それでいて今までに無い恩田さんを知ることもできた異色短編集でした。
あとがきでご自身が書かれているように、ご自身も多大な影響を受けた早川書房の異色作家短編集へのオマージュとして、ありったけの想像力を駆使し苦しみながらも3年半をかけて生み出した15編の物語たち。

奇妙で不思議で不気味でうすら怖い・・・でも知りたい! そんな独特な世界がたっぷり詰まっています。
おそらく日本が舞台なのに日本じゃないような、地球上の話なのに異世界のような、遠い国の話なのに身近に潜んでいるような、恩田さんの創り出す物語の世界のイメージがぱーっと目の前に広がって鳥肌もたったエピソードも。

「いのちのパレード」というのはこの15編のなかの1編のタイトルなのですが、それ以外のどの話も「命」「生と死」にまつわるものが多くぴったりのタイトルだと思いました。まったく違った世界の多くの、そしてかけがえの無い「いのち」がそれぞれ前に向かって、前進していっている、そんな感じがしました。どの物語(パレード)もゴールまで辿り着いていません。彼らにどんな結末が待っているのかそれは私達読者に託されています。パレードはすぐ終わるかも知れないし、永遠に終わらないかも知れない。読み終わった後もまだ物語が終わっていない感じがしました。でも不思議と消化不良ではないんですよね。

表題作「いのちのパレード」の壮大さはもちろん、姉妹の語り合いの結末の意外さに驚かされた「蛇と虹」の甘美さ、 兄弟たちの夕飯時の尋常じゃない苦労を描いた「夕飯は7時」のシニカルな笑い、 「隙間」のホラー顔負けの怖さ、ミュージカル劇「エンドマークまでご一緒に」、少女たちが不思議な世界でコマを進める「SUGOROKU」は鳥肌ものでした。

どこかに引き込まれてしまいそうでとても怖いのだけど、恩田さんの創り出す世界はやっぱり好きだな、と実感した1冊でした。

お気に入り度:★★★☆☆

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