This Archive : 2007年05月

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豊島ミホ 「檸檬のころ」

2007.05.12 *Sat
檸檬のころ (幻冬舎文庫)檸檬のころ (幻冬舎文庫)
(2007/02)
豊島 ミホ

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【あらすじ】
かっこ悪くて、情けなくて、でも忘れられない瞬間がある。田んぼと山に囲まれた、コンビニの一軒もない田舎の県立高校を舞台に綴る、青春の物語。(Amazonより)



ある田舎の町が舞台になっている7編の短編連作集です。
高校生、司法予備校生、先生などなど短編ごとに主人公が変わるのですが、ちらりちらりと他の短編に出てくる人物達が顔を出し、読み終わってみると人物相関図ができあがるという面白い作りになっています。

本のタイトルは『檸檬のころ』ですが、短編のタイトルには含まれてません。「檸檬」といえば、シャンプーやコロンの香りだとかファーストキスの味だとか、「青春」の象徴のひとつといえますが、何とも甘酸っぱくて、ちょっと苦くて、目に沁みて・・・そんな檸檬の香りが全ての物語から漂ってきました。『檸檬のころ』とはよくつけたもんだと感心しちゃいました。

ひとつひとつの物語は決してハッピーエンドではなく、思いが遂げられなかったり、恋を守り切れなかったり、大切なものを見誤ったりと、切なくも取り戻せないものが詰まっていたりするのですが、全編読み終わってみると胸に「じん」と、そして本当に檸檬の香りをかいだときのよな「つん」とくる、そんな感覚を感じました。

良かったです。

お気に入り度:★★★☆☆

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角田光代 「ドラママチ」

2007.05.12 *Sat
ドラママチドラママチ
(2006/06)
角田 光代

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【あらすじ】
妊娠、恋愛、プロポーズ…女はいつも何かを待っている。中央線沿線の「マチ」を舞台に、小さな変化を「待つ」ヒロインたちの8つの物語。(Amazonより)



出てくるのはいずれも「幸せ」とは言い切れない30代女性たち。
独身あり、既婚者あり・・・皆それぞれに、鬱々と心にまとわりつくなんとも「晴れない」様々な要因によって、日々悩みつつも現状の生活維持を余儀なくされている。そして中央線沿いの吉祥寺、西荻窪、阿佐ヶ谷が舞台となっており、沿線にすむ女性なら一度手にとって読んでみると地理感覚も手伝って物語が目の前に繰り広げられるので、より興味深い作品だと思います。

ただ、内容はというと、何とも全編どんよりとした曇り空に包まれた感じで時折雲間から陽の光が差し込むように思えて、決して空が晴れ渡ることなく終わる、そんな物語が詰まっています。彼女達の心理描写がとてもリアルで読んでいて痛いくらいなんですが、かといって「うん、わかる、わかる」と共感することから自分も前に進んでいく力をもらうということもなく、不思議なくらい全く共感ができませんでした。年代も舞台も共通点はいっぱいあったのに・・・。1つの物語を読み終えるたびに無力感が覆うといった感じでした。全編を通して全く同じような読後感を与え、短編集ながらも見事な統一感を出しているものだと感心すら覚えました。

本って現実逃避の手段でもあると思うのですが、この作品を読んでいると、自分の生活も角田さんに描いてもらうとこんな短編集になるのかも?と思えるくらい地味でありながら、人間が誰でも持っている他人には知られたくない一面が描かれているので居心地の悪さを感じるのかもしれません。人によって感じ方が分かれる作品なのではないかな、と思います。

お気に入り度:★★☆☆☆

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桜庭一樹 「少女七竈と七人の可愛そうな大人」

2007.05.04 *Fri
少女七竈と七人の可愛そうな大人少女七竈と七人の可愛そうな大人
(2006/07)
桜庭 一樹

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【内容】
わたし、川村七竈十七歳はたいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった・・。鉄道を愛し、孤高に生きる七竈。淫乱な母は、すぐに新しい恋におちて旅に出る。親友の雪風との静かで完成された世界。だが可愛そうな大人たちの騒ぎはだんだんと七竈を巻き込んで・・・。 (Amazonより)


北海道旭川。冬は真っ白な雪が埋め尽くす世界・・・。
ひとりのとても平凡で白っぽい丸のような女性、優奈。
彼女は別の人間になるために、自分を変えるために、7人の男性と関係を持ちます。ある男性の、七竈の木はとても燃えにくく、七回も竈に入れても燃え残ることがあり、そうやって造られた七竈の炭は大変上質なものだという言葉に、自分も上質な炭になれる気がして―。

そうして、そんな母から生まれて来たのがのが七竈。
類稀なる美貌に生まれついてしまった彼女と、彼女のたったひとりの親友であり、同じく美しい「かんばせ」を持つ雪風と、二人を取り巻く狭い狭い世界の中にいる大人たちの物語です。

とても禍々しくも甘美な雰囲気が全編を漂っています。

母が奔放であるという環境と、その美しさから友達のいなかった七竈の唯一の友人が、これまた恐ろしいほどの美少年の雪風。常に一番近しい存在であった二人なのですが、成長とともにその「かんばせ」がこれ以上一緒にいられないほど酷似してきます。二人ともそれに心の奥では気づきながらも、認めたくない、信じたくない、そして何より「離れたくない」―― そんな強い想いが行間からひしひしと伝わってきてとても切ないです。事実から目を逸らして傍に居続けようと努力する二人。強いようでいて踏みしめられる雪のように弱いんですよね。

二人をそっとしておいてあげてほしい・・・・でも周りにいる大人たちがそうは許してくれません。二人で創りあげた脆くて美しい世界がずっと続くことはなかったのです。
でもそれによって二人は成長します。今まで浸っていた世界以外にも広い世界が自分にも待っていることを知ります。

周りにいた「可愛そうな」大人たちも、苦しんだり悩んだり恨んだりしながらも、頑張って生きていて・・・。

そして、不思議なことに、あんなにちくちくと胸が痛むように切なかったのに、いざ読み終えてみると切なさと共に不思議と前向きに生きていこうとする力が湧いてきたんです。不思議で素敵な作品でした。

大人たちは「可哀相」ではなく「可愛そう」なんですよね。淡々と全てを受け入れて成長していく七竈と雪風に比べて、許せないことや縛られることに苦悩しつつも生きてる大人が何だか可愛くもありました。

おまけで、というか実はかなり重要なのが後輩のみすずちゃん。ごくごく普通の彼女のおかげで、七竈たちも随分助けられた気がします。

母を許さないことが七竈の純情・・・・でも、母がおかしくなってしまった理由、最後に明かされたそれが、すこぉし彼女を許せる気がします。

七竈の花と同じ白いマフラーを巻く七竈。
七竈の実と同じ赤いマフラーを巻く雪風。

この情景が今も瞳の奥に焼き付いたままです。

お気に入り度:★★★★☆

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My 読書blog list

2007.05.02 *Wed
My 読書blog list を追加しました。
楽しく読ませていただいている読書ブログや
TBやコメント等でお世話になっている方々のブログを
リンク代わりにと登録させていただきました。
かなり細々と更新している当ブログですが
今後とも宜しくお願い致します。
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