This Category : 北村薫

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北村薫 「玻璃の天 」

2010.01.01 *Fri
玻璃の天 (文春文庫)玻璃の天 (文春文庫)
(2009/09/04)
北村 薫

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内容(「BOOK」データベースより)
昭和初期の帝都を舞台に、令嬢と女性運転手が不思議に挑むベッキーさんシリーズ第二弾。犬猿の仲の両家手打ちの場で起きた絵画消失の謎を解く「幻の橋」、手紙の暗号を手がかりに、失踪した友人を探す「想夫恋」、ステンドグラスの天窓から墜落した思想家の死の真相を探る「玻璃の天」の三篇を収録。



ベッキーさんとお嬢様シリーズ第2弾!
昭和初期の東京、名家のご令嬢に謎の女性運転手ベッキーさんが、日常に潜む謎を一緒に解いていくこのシリーズ。
まだまだ女性が社会に出ることが厳しい時代、生活格差、進む近代化、これから数年後に起こる悲しい戦争などを背景にしているからか、常にどこか切なさが漂うこの感じが作品をより重厚なものにしているのでしょうか。読み終わるとずっしりと重みを感じます。それだけ本の世界にのめり込めているのかもしれません。

今回は友人・内堀百合江さんの恋騒動から始まります。
ある「生きている人間の死亡広告」から内堀家の内部断絶が始まったのですが、百合江さんは敵方のご子息と恋に落ちてしまったのです。
正に昭和の「ロミオとジュリエット」。
真相をさぐるうち、隠された悲しいひとつの恋にたどり着きます。

そんな中、思想家の段倉、通称「荒熊」という男が現れるます。その男の影響力は強大で死人も出ているほど。
また、叩き上げの軍人、若月との出会いも。

謎解きと平行して実はもう一つの大きな大きな事実がひとつ明らかになっていた『幻の橋』。第三篇の『玻璃の天』を読んだあと読み返すと、勝久さんとベッキーさんの最後の車の扉のやり取りの重みが衝撃となって返ってきました。


ウェブスターのあしながおじさんの本をきっかけに友人になった綾乃さん。お琴の名手でもある彼女がある日失踪する。どこへ行ってしまったのか。残された暗号をとくことができるのか。
お琴の唄に秘められた真実とは・・・(『相夫恋』

兄弟でやりとりする会話も雅な内容でうちでは考えられないようなものばかり。さすがです。

物語中で登場する昭和の街の様子も読みどころのひとつですよね。
ミートクロケット、当時の百貨店、何もかもが新鮮で輝きに満ちているような情景が浮かんできます。
国会図書館の場面が出てきたのも印象的。昔は好きな本を読むことすら難しい時代だったのですね。

そして第三篇の『玻璃の天』
資生堂パーラー大財閥の息子でやり手の末黒野と友人の建築家乾原を見かける英子。
彼らとは意外な再会の場が待っていて、それをきっかけに英子は乾原が建てた末黒野の新居の披露パーティに出向くことになります。
そこにはあの「荒熊」こと思想家・段倉も来ていたのですが、彼は天井のステンドグラスから転落するという謎の事故死をとげます。彼は本当に事故死だったのか。

その謎をといていくと、そこにはベッキーさんの素性につながる真実が隠されていて、それはとても苦しくて、時間を巻き戻してすべてをやり直したくてもどうしようもなくて・・・

ベッキーさんの抱えてきた痛みと、それを知ったお嬢さま・英子の受けた痛み。
それは忘れてしまえばいいというものではなく、きっと一生抱えていくものだからなおさら辛い。でも生きていくしかない。強く。
ここにベッキーさんの強さの秘密があったのかもしれません。

まだまだ明らかになることもあるのでしょうか。

軍人の若月さんとお嬢様の行方も気になるところです。

お気に入り度:★★★★☆


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北村 薫 「街の灯」

2009.09.01 *Tue
街の灯 (文春文庫)街の灯 (文春文庫)
(2006/05)
北村 薫

商品詳細を見る

内容(「BOOK」データベースより)
昭和七年、士族出身の上流家庭・花村家にやってきた女性運転手別宮みつ子。令嬢の英子はサッカレーの『虚栄の市』のヒロインにちなみ、彼女をベッキーさんと呼ぶ。新聞に載った変死事件の謎を解く「虚栄の市」、英子の兄を悩ませる暗号の謎「銀座八丁」、映写会上映中の同席者の死を推理する「街の灯」の三篇を収録。



昭和7年が舞台。
士族の良家の社長令嬢・英子お嬢様と、運転手・ベッキーさん。
二人が身の回りに起こる謎を解いていくシリーズ第一弾。

その時代に女ながらにボディガードの資質も兼ね備えているベッキーさんが魅力的
常に冷静沈着、いつも核心に一番近いところにいながらも控えめで前にでることがない。
好奇心旺盛な英子お嬢様は多少世間知らずな部分は持っているものの、その純粋培養された目で真っ直ぐに物事を見ることで謎を解いていく。

とても面白かったです。
時代設定や上流階級という舞台もあってか、同じ北村さんの円紫師匠シリーズよりも日常でありながら非日常な感じがあってドキドキ感もありました。
ベッキーさんの出自もまだまだ謎なので続きが楽しみです。


「虚栄の市」
お嬢様さんベッキーさんの出会い。
そしてある日、「奇怪、自らを埋葬せる男」なる見出しが新聞に出る。
そしてお嬢様はこの謎解きに乗り出すのです。
サッカレーや乱歩の物語と絡み合わせながら物語が進んでいくあたり、読書好きにはたまらないですね。
虚栄の市、是非是非読んでみたくなりました。(でもすごい長編なんですね・・・)

「銀座八丁」
兄と一緒に挑む銀座の街にまつわる暗号解き。
昔の銀座や東京の街並みが目の前に浮かんでくるようで楽しめました。
華族の桐原家の麗子様に呼び出されるも、その真意が女運転手であるベッキーさんだった。
そこに麗子様の兄も出てきて・・・というベッキーさんの謎にせまるくだりも目が離せません。

「街の灯」チャップリンの映画「街の灯」から来てるんですね。
軽井沢に避暑に赴くお嬢様たち。そこで開かれた映写会で突然、1人の女性に異変が起こります。
いったい何が起こったのか。
桐原家の道子さんの良家の子女であるゆえの諦めを受け入れた強さ、寂しさと冷徹さが垣間見えとても印象に残りました。

お気に入り度:★★★★☆

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