This Category : 森 絵都

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森 絵都 「いつかパラソルの下で」

2009.09.02 *Wed
いつかパラソルの下で (角川文庫 も 16-5)いつかパラソルの下で (角川文庫 も 16-5)
(2008/04/25)
森 絵都

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内容(「BOOK」データベースより)
柏原野々は天然石を売る店で働く25歳の独身女性。厳格な父の教育に嫌気がさし、成人を機に家を飛び出していた。その父も亡くなり、四十九日の法要を迎えようとしていたころ、生前の父と関係があったという女性から連絡が入る。世間一般にはありふれたエピソードかもしれないが、柏原家にとっては驚天動地の一大事。真偽を探るため、野々は父の足跡を辿るのだが…。森絵都が大人たちの世界を初めて描いた、心温まる長編小説。



20代の三人のきょうだい。兄、姉、妹。
厳格な父に縛られた生活を送ってきたが、上の兄と姉(野々)は早くにうちを飛び出し、不安定ながらも自由な生活を送っている。妹は父に縛られたままの生活を選ぶ。
ある日、その父が亡くなった。
父の浮気相手という女が現れ、母の様子がおかしくなる。
今まで滅多に揃うことのなかった三人きょうだいが顔を合わせ、父の秘密の過去の解明に乗り出すことに・・・。

ともすれば重くなりがちなテーマなのですが、3人のキャラクターがゆるめで何だか愛嬌があるのと、描き方に温かみがあるため、穏やかに物語は進みます。
20代とはいえ、まだまだ大人になれない(なりたくない)3人が、父の死、父の故郷に触れて、少しずつ大人になっていく物語。

父の故郷、佐渡への旅の終わり、彼らは気づく。
父にストイックに育てられたから今の自分はこんななんだ、と実は自分に自信がないだけないのに言い訳にしていた。自分のだめなところから目をそらす言い訳に。

どんなわだかまりや別れがあろうとも、いつかは、みんなでパラソルの下でビールを飲みたい。飲めるときがくるかもしれない。そんな希望を持てるような気がします。
パラソルの下でビールという表現が良いなぁ。

あと野々の恋人、達郎くん、言葉がぶっきらぼうだけど心の中の温かさが伝わってきて良かった。
妹さんのシャツの胸のワンポイントもいい働きをしていてお気に入り。

  人は人を忘れる。けれどもまた思い出す。もう何もかも取り返しがつかなくなった頃に記憶の蓋をゆるめる。それが憂鬱で、面倒くさくて、だから私は父の故郷など訪ねたくなかった。p177

この一文、なんかとても心に響いてきました。わかります。この感じ。

お気に入り度:★★★★☆

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森 絵都 「永遠の出口」

2007.01.11 *Thu
永遠の出口 永遠の出口
森 絵都 (2006/02/17)
集英社

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【あらすじ】
「私は、“永遠”という響きにめっぽう弱い子供だった。」誕生日会をめぐる小さな事件。黒魔女のように恐ろしい担任との闘い。ぐれかかった中学時代。バイト料で買った苺のケーキ。こてんぱんにくだけちった高校での初恋…。どこにでもいる普通の少女、紀子。小学三年から高校三年までの九年間を、七十年代、八十年代のエッセンスをちりばめて描いたベストセラー。第一回本屋大賞第四位作品。 (Amazonより)


「永遠に~できないのよ」と姉が意地悪くいう「永遠」という言葉にめっぽう弱い子供だった小学生時代から、ぐれてしまった中学時代、アルバイトや恋を経験した高校卒業までを、3児の母になった本人が振り返って語る物語。

文体が優しくわかりやすいのですーっと染み込んできて
自分とシンクロしやすい感じがします。

誰もが経験したことのある小さな小さな事件が当時の自分にとっては
世の中で起きている重大な事件よりもずっと大きくて大切だった。
そんな胸の痛みを思い出させてくれる作品でした。
本当に日常です。
きっと、あぁ、そういえば自分のこの歳にはこういうことがあった、
と自分の経験と照らし合わせながらゆっくり読み進めるのに良い作品だと思いました。

お気に入り度:★★★★☆

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森 絵都 「風に舞いあがるビニールシート」

2006.12.02 *Sat
風に舞いあがるビニールシート 風に舞いあがるビニールシート
森 絵都 (2006/05)
文藝春秋

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6篇からなる短編集です。
いわずと知れた直木賞受賞作。
賞をとった、というといつも期待に高く胸を弾ませていただけに読んでみてがっかり・・・ってパターン結構ありませんか?

この本は期待を裏切りませんでした。

「器を探して」★★★
我侭な天才パティシエのもとで働く弥生。
恋人との大切な約束があったクリスマスイブに理不尽な出張を言い渡される。美濃焼きの窯元を訪ねた彼女がそこで見つけたものは・・・。

「犬の散歩」★★★
夜のスナックで働く恵利子。夫もいる彼女が夜働く理由は・・・犬なのです。

「守護神」★★★★
社会人大学生である祐介。彼は卒業を目指しレポート代筆の達人と噂のある女性を捜し求める。そして彼女と対面した彼が行き着いた先は・・。

「鐘の音」★★★★
仏像の修復師であった潔。ある仏像との運命的な出逢いをきっかけに修復から遠ざかった彼が25年ぶりに知ったある事実とは・・・。

「ジェネレーションX」★★★
出版社でやりがいもなく働く健一。ある日彼は取引先の石津と一緒にトラブルの起こった客先への謝罪のために車で出かける。その車中、石津のひっきりなしの携帯電話での会話にいらいらしながら耳を傾けていた彼だが・・・。

「風に舞いあがるビニールシート」★★★★★
難民救済のために国連事務局で働く里佳。別れた夫エドの死から立ち直ることのできない彼女はある日・・・。



内容的にもちょっと重めの内容と軽めのものと
バランスが取れていて飽きずに読み進めることができました。

それぞれがいろんなことに、もがき苦しんでいる。
物事を別の角度から見る方法を知ったとき
その苦しみがすーっと消えてしまうこともある。
どれも最後にはいろんな形の暖かさに包まれます。

最後の短編、「風に舞いあがるビニールシート」。
これが心にとても響きました。
危険を伴う仕事に出かける夫エド、わかっていて結婚した妻である里佳。
一緒に過ごす時間は1,2年の間にほんの数日。
愛し合っているのにすれ違う心。
最後のインタビュー。
そこから先は涙が止まりませんでした。
里佳の深い深い愛が広がってきて胸が痛くなりました。

お気に入り度:★★★★☆

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森絵都 「アーモンド入りチョコレートのワルツ」

2006.08.07 *Mon
アーモンド入りチョコレートのワルツ アーモンド入りチョコレートのワルツ
森 絵都 (2005/06/25)
角川書店

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<内容>
シューマン、バッハ、そしてサティ。誰もが胸の奥に隠しもつ、やさしい心をきゅんとさせる三つの物語を、ピアノの調べに乗せておくるとっておきの短編集。 (Amazonより)



別作品で直木賞を受賞した森絵都さんの作品。


シューマン「子供の情景」で奏でられるのは
中学生の少年達が毎年過ごす海辺の別荘での「最後の」夏の出来事。

バッハ「ゴルドベルグ変奏曲」で奏でられるのは
不眠症の少年と虚言癖を持つ少女の切ない恋の物語。

サティ「アーモンド入りチョコレートのワルツ」で奏でられるのは
二人の少女と不思議なピアノ先生、そしてピアノ教室に突如出現したサティおじさん・・・。


3つの短編のうち、前2作品は情景が目に浮かぶと言うか
とてもわかりやすく、短編ドラマとかにもなりそうな作品です。
個人的にはわかりやすくきゅん!と来るのが好きなので
この2つの物語が好きですね。
でも、簡単にはいかないのが表題作である3つめの物語。
ピアノ教室で繰り広げられた4人のダンスに歌にピアノに・・・
言葉は通じなくても気持ちは通じる、大きな出来事があったわけじゃないのに、思い出すだけでとても懐かしく幸せな、取り戻せない時間。
それが上手く描かれている感じです。
読み終わって「面白かったぁ!」っていう感じでは決して無いのですが心に何だか残るんです。

児童文学なのか大人のための作品なのか。
数々の児童文学賞を受賞している彼女の作品はとても暖かく優しい。
忘れていた心の奥の記憶の扉を開く、懐かしさで切なくなる。
そんな小さな小さな一瞬が物語の中に散らばっています。
決してそれは衝撃的でも斬新でも何でも無いのだけど。
不思議と読んでいて ほっと安心できる、そんな作品でした。

評価:★★★☆☆

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